武山絵美先生

■どんな学生さんに選択してほしいですか?

我々は、現場に出ることが多い分野なんです。
現場の実際の計画づくり、設計に携わることもあります。
その現場から学んだことを一般化して、他にも適応出来るよう理論を考える。
また、それを現場に適応させる。現場と理論を行き来するようなそういう研究分野です。
特に自分で現場を観察したい、地域の人の話を聞いてみたい、
実際の農村設計に関わりたいという人に、是非学んでもらいたい分野です。

もう一つは総合的にいろんなものを材料に何かを作り出したいなという人です。
どちらかと言えば、一つのことを突き詰めるというよりは、農村全体を見て「農村の新しい姿」、「未来をどうしたらいいか」と考える研究分野なんです。
何かを作り出していくような、そういう分野なので、未来像を考えたい・農村の未来を考えたいというクリエイティブな人に来てほしいですね。


■どんなことを学びますか?

クリエイティブな要素が多いと思います。

「農村の地域活性化」という観点から見ると、「政策を考える分野」や、「地域社会や経済を考える分野」など、様々なアプローチがあると思います。

これに対し、「地域環境工学」の大きな特徴は、実際の設計が出来るところです。

地図を作る仕事だと思うんですね。
ここに道路を通そうとか、ここにこういう物を植えようか。

この「設計を学べる」というところは強みかなと思います。物作りというとこですね。

私たちは実際に図面を描いて、整備をする。
行政の方や地域の方と、本当に実現することを担えるというのが魅力です。

コースでは実際の測量もやりますし、
実際に、現場で使える設計技術が学べるということが大きいと思います。

また、棚田へ行って地域の方と一緒に草刈りをやることもあります。
その目的は、どういう基盤が使いやすいデザインなのかということを身をもって体験してもらうことです。


■実習について教えてください

実習は重視しています。農村を整備したりデザインするとなると、一人では出来ない話ですので、チームで仕事をするノウハウを身につけてもらうことも意識して、実習や実験に取り組んでもらう。コース全体がそのような考えだと思います。
例えば、棚田の草刈りに行って農家さんと話をして、実際にその棚田をどうしたらいいのかの計画づくりをする実習をします。授業はそれで終わりですが、架空の学生なりの計画を最後に発表してもらい、それを冊子にして現場に戻すようにしてるんです。

学生が勝手に立てた計画ですけど、何かの参考になればと行政の方にお渡ししたり、地域の方にお渡します。
すると、凄く喜ばれるんです。自分達にはできないことだと。地域外の若い人がこの地域をみてどう感じるのかとか、どういう風にすればいいのか、さらに学生の熱意も伝わってくるっていう風に言っていただいて凄く喜ばれます。