武山絵美先生

■ご自身の担当されている事や、コースについてお話ください。

農村空間の設計・デザインや、それを実現する計画づくりが研究のテーマです。

実際にその農村に行って、土地利用を調べたり、
農地を守るために、なにが必要なのか。例えば農地そのものに加えて道路とか水路などですね。

それをどういう風に設計すれば真に役立つものができあがるのかを考えるのが、
研究の内容ですね。

それを実現するための仕組み作り。そういった所が特に大きな研究のテーマになっています。


農村デザインとは?

農村が何故自然に見えるのかというと、当然、自然を利用した農業の場であるということが一つあります。

もうひとつは、それが長く使えるデザインだから、長い時間をかけて自然にとけこむいうことです。
調べれば調べるほど、かつてよりある農村のデザインは非常に理にかなっていて、且つ長く使える。

ため池や水路もそうですけど、
長く使う中で地域の自然の中に溶け込みます。生物もため池や水路を利用し始めて、あたかも「自然になじんだ風景」になってくということがあると思います。
ですから「農村」はまさに「人間が作ったもの」なんですが、長く使える設計が施され、それを長く使う中で、自然に溶け込むようなものづくりがされているんです。「二次的自然」とも呼びますけれど、農村は、人工物で本当の自然じゃないけれども、あたかも自然のように扱うことが出来る場だと考えています。そのようにデザインすることが重要です。


「野生動物との共存」とは?

課題のひとつには、最近、野生動物が農村へ入ってくる問題があります。
農作物が食べられたり、人が怪我をするような問題が発生しています。
ですので、野生動物と人が共存出来るような農村のデザインが求められています。

野生動物とどの様に共存するのか、それは非常に大きなテーマです。人間が自然を開発した時は人間の勢いが強かったのですけれど、今はどんどん農村が衰退したり、高齢化によって、人間のエリアが縮んできてるような状態の中で、動物が勢いを盛り返してるわけです。いかに共存するかが大きなテーマですね。