山田容三先生

 

■実習について教えてください

このコースの特徴としては、頭で考えるよりも体を動かせということがモットーになっています。
まずは山を歩けと。
2回生の時に山を歩く自習が1日あります。
演習林の山を尾根まで上がって、ほぼ1日かけて歩きます。
まずは、山を歩くことを教えて、2回生になると後期の火水木金は実習です。
もちろん実験もあるので、毎日、山に行っているわけではありませんが。
泊まり込みの実習の中には、間伐実習のように3週間かかるものもありますし、測量の実習だとか他にも実習はあるので泊まり込みで、何回か行きます。
山を歩きますから、体力がつきますね(笑)。
とにかく山を歩いて、そこでなにか自分で気づいたものを学び、体験から知識を学ぶ。それから講義を受けて、深めていくスタンスです。

 

■受験生のみなさんへ言葉をお願いします。

そうですね。自然が好きだとか、外で活動するのが好きな人は是非来てください。
虫が好きだとか、草が好き、動物が好きな学生さんもいます。
そういう興味もこのコースに来れば勉強することもできるし、研究することもできます。

 

■今在学中の学生さんに一言お願いします。

とにかく興味を持ったことをテーマに選んで研究してください。
卒業論文は、それを書くようにしてください。
学生さんはよく就職のことを考えて、
『こういうところに就職したいんだけど、どの研究分野に行けば良いですか』と気にしていますが、それはあんまり関係ありません。
大学で学ぶ知識は基礎的なことなので、実社会に出て、仕事に就いたときは先輩から教えてもらうとか、会社で教えてもらうとかで身についていくものです。
むしろ、好きなことを選んでその研究をする。卒業研究は答えがないものです。
答えのないものに初めて取り組んで、自分なりに研究を進めてみて論文を書きあげる。
これが大事なプロセスであって、それをやり通したということが、これから社会に出て、いろんな壁に当たった時に、乗り越える力になります。すなわち、応用力がつくといえますね。
だから、卒論は何をやってもかまいません。好きなことを一生懸命研究して、社会に出てください。そういうことを学生さんには言っています。

 

■先生が今後、このコースや授業で注目してほしいところや目標を教えてください

愛媛大学は地方大学ですので、やはり地域に貢献できる人材を育てたいということが大きな目標です。
大学で学んでもらったことを活かしながら、愛媛の森林を中心とした地域社会に貢献してもらえればありがたいなと思います。
もちろん他の地方に出てもかまわないですし、国の方に出る人もいるので、皆さん与えられた所で頑張っていただきたいと思います。


■先生がこの道を選ばれたきっかけは?

理系の高校にいて、工学部には行きたくないと悩んでいた時のことです。
カナダのレンジャーのドキュメント番組を見て、かっこいいなと思いました。
制服もカッコよく、ハットを被っていて、銃も持っていて、国立公園を見廻っている。
そんな仕事に就きたいなと思っていました。あの当時は林学という学科があり、森林や木材について教えてくれていました。それでこの分野を学び、そのまま研究し続けています。

海外で実習されるのですか?

他大学の行事に混ぜていただいて、昨年ドイツに行きました。
鹿児島大学、岩手大学、岐阜県立森林文化アカデミーが主催する日本人学生向けの林業研修に参加しました。
ロッテンブルクという小さな街の林業単科大学校に、1週間ほど行ってきました。
半日は見学があって、森林に行ったり、工場を見たりしました。
ただ、それは私費なので学生さんには大変ですけどね。

海外とも結構コラボしながら、研究しています。
森林生態といって、森の生物の研究をしている先生方は、インドネシアにフィールドを持っていますので、研究に行っていると思いますよ。